精神保健福祉士とは?
精神保健福祉士とは、精神障害を持つ方やご家族を対象に相談援助などの社会福祉業務に携わる国家資格で、PSW(psychiatric social woker)と略称されます。国家資格化されたのは 1997年ですが、それ以前から精神科病院や保健所、精神衛生センターで入院や退院の支援や家族の相談、グループ活動などを行っていました。日本の精神科医療は入院の長期化・社会的入院の問題が解決されず退院支援や地域生活支援を担う人材としてのPSWの実践に期待が寄せられ1987年の精神保健福祉法の制定時、1993年の改正時、1994年の健康保険法改正時に国会の場で国家資格化の早期実現が付帯決議とされています。そのころに大阪で活動していたPSWは、誰のための何のための資格かと問うて、最後まで反対しています。そして、それでも資格化されるなら診療補助業務を行うのではなく、クライエントが医療を受けやすくあるいは、医療によって生活が侵されないように常に当事者の立場に立った支援を行うことなどを訴えてきました。
PSWは、精神医療の現場で、精神障害者の人権侵害に目を向け活動していますが、そのことで職場での自身の立場を危うくする場面にも直面していました。つまり、自分が雇用されるところのあり方によってPSW業務が左右されてしまう状況があります。
精神障害者の人権擁護と地域生活支援の推進、社会的入院の解消と保健医療福祉の充実のため、これを担う人材として国家資格化され20年が経過しました。