無料ダウンロード│精神医療人権センター新規設立先行事例集
2021.10.06 UP
本冊子は、2020年11月28日開催シンポジウムにおける講演と、分科会の内容をまとめた報告書です。
加えて日本財団からの助成を受けて、精神科に入院中の方のための権利擁護調査事業(アンケート・インタビュー)を行いました。その調査についての概要を掲載しています。
報告内容は2020 年11 月末時点の情報です。各地の取り組みは各センターホームページやSNS 等で報告していきます。
各地の精神医療人権センターの実践から考える
~今、わたしたちにできることから~
精神医療人権センター新規設立のための4つの先行事例
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精神科権利擁護活動をスタートするあしがかりとして
それぞれの地域が取り組む権利擁護活動の中で、組織運営、資金調達や政策的なハードルなど実際に直面している課題について掘り下げ、共有し、自らの課題解決にとどまらず社会へ発信することで精神医療の現実を問題提起します。
新規設立を目指す上で、活動・運営の課題はなにか。解決に向けての取り組み、今後の展開について先行事例としてのケースを公開し、まだ活動がスタートしていない地域での新規設立へ情報提供いたします。
全国へ拡がる「精神科に入院中の方への権利擁護活動」
2017~2019年度日本財団助成事業「精神科病院入院者へ権利擁護活動の様々な地域への拡充」としてスタートした取り組みは、2020年度「精神科に入院中の方への権利擁護の普及のためのコンサルテーション」に引き継がれ、新規設立を含む4団体がプレゼンテーションを行う11月28日のシンポジウムを開催いたしました。本誌では講演での発表と分科会の内容、質疑応答をテキスト化しました。
また、全国で行われる精神科権利擁護活動について調査を実施し、精神医療ユーザー当事者が個人で行うケースと事業所で扱うケース、全国5つの精神医療人権センターを合わせた21件について、活動内容と相談傾向の分析を掲載しています。
大阪精神医療人権センターによる大和川病院事件の告発からまもなく30年を迎えます。2020年に発覚した神出病院事件もまた、人権侵害の氷山の一角にすぎず、閉鎖的・密室的環境においては新型感染症のクラスターが頻発し、人権や尊厳を軽んじた対応は現在も変わることがないと言わざるを得ません。
このような療養環境に外部から訪問・相談を受け付けることで、権利侵害を食い止める「精神科アドボケイト」「権利擁護」を担う活動は必要不可欠なものです。
本誌で報告する4つの団体の活動と、東京での人権センターの取り組みを先行事例として、精神科の権利擁護の全国拡充がより加速することを目指しています。
目次
第1部 各地の精神医療人権センターによる実践
①630調査~どうして情報公開が難しいんだろう?~
630調査を手掛かりに、見えてきたこと、体験から立場を超えて考える
埼玉県精神医療人権センター 松本葉子
②神出病院における虐待事件~なくすためにはどうするといいのか~
「できたこと」「できなかったこと」、取り組みをとおして見えてきた課題、今後に向けて
兵庫県精神医療人権センター 吉田明彦
③精神科病院とWITHコロナ~通信と面会の権利を保障する~
オンライン面会の現状・課題を含む最新情報
大阪精神医療人権センター 彼谷哲志
④資金調達~精神医療人権センターを設立するには~
神奈川精神医療人権センター 中村麻美 大川幸恵
第2部 分科会
①630調査/埼玉県精神医療人権センター
報告者 戸田竜也・武井修平・佐川まこと
②神出病院における虐待事件/兵庫県精神医療人権センター
報告者 藤原理枝
③精神科病院とWITHコロナ 通信と面会の権利を保障する 報告、感想/大阪精神医療人権センター
報告者 武藤正浩
④資金調達/神奈川精神医療人権センター
報告者 横山紗亜耶
第3部 パネルディスカッション 各分科会の振り返り&いま、私たちができること
■精神科に入院中の方のための権利擁護調査事業2020 ご報告(概要版)
■紙媒体未掲載記事(無料ダウンロードPDF版のみ)
精神科に入院中の方のための権利擁護調査事業2020
・報告書全文
・インタビュー内容
大阪よりスタートした精神科の権利擁護活動を実践する団体を、全国に拡充するために2017年度より日本財団の助成を受けて取り組んでいます。埼玉、神奈川に新規設立された2団体を含む4つの精神医療人権センターの実践と課題をまとめました。