私が大阪精神科病院協議会の役員であった頃、人権センターの活動がはじまった最初の頃はこちらにとっては受け入れにくいと思うような事を言われたり書かれたりして大阪精神科病院協会としてはずいぶん反論をしていました。
ただ、精神医療オンブズマン制度が始まり、その協議会(現在は療養環境サポーター制度・療養環境検討協議会)で話し合いを重ねることで病院側の苦労も率直に伝えることが出来るようになりました。また、色々なやり取りをする中で、人権センターの指摘が療養環境の改善や職員の資質の向上につながることがあると実感できるようになっています。
何より重要に思うことは、人権センターが『市民の目線』で、“自分が入院したらどうなるか?”という目線で疑問を投げかけてくれる。これは大変重要で、安心してかかれる精神医療を人権センターも病院側も目標にしているからこそ真摯に意見交換が出来ているということです。
やり取りの結果、療養環境が良くなり職員の資質が向上すれば、病院の評判が上がり、精神医療につながりやすくなるなどよい影響が色々出てくるわけです。だから、大阪だけではなく他府県の病院でも『市民の目線』は取り入れた方が良いと思っています。