神出病院での虐待事件を受け、神出病院がある神戸市は国に対して、また、神戸市議会は厚生労働省に対して、精神科病院に入院中の方の権利擁護確⽴に向け、障害者虐待防止法等関係法令の改正を求めています。また、東京都と20政令市(大阪市も含む)の衛星部局の局長の連名による毎年の国への要望書においても、2020年度は障害者虐待防止にかかる関係法令の改正を求めています。
当センターでは、大阪府に対して以下の申入書を提出し、さらに、厚生労働省関係部局に向けても、障害者虐待防止法の改正や大阪府で行われている権利擁護活動を制度化するよう、要請書を提出しました。
神出病院の集団虐待事件に関する要請書
2020.12.23 UP
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長 佐々木孝治 様
同省社会・援護局障害保健福祉部地域福祉課長 岡河 義孝 様
同省老健局高齢者支援課長 齋藤 良太 様
代表理事 位田浩 ・大槻和夫
〒530-0047
大阪市北区西天満5丁目9番5号 谷山ビル9階
TEL(06)6313-2003・FAX(06)6313-0058
E-mail advocacy@pearl.ocn.ne.jp
貴職らにおかれましては、日頃より精神科医療機関における人権擁護と医療の充実のためにご尽力されていることに敬意を表します。
さて、今年3月に神戸市西区にある精神科病院・神出病院において複数の入院者に対する重大な虐待事件が発覚し、看護師ら6人が逮捕され、有罪判決を受けました。同病院で
は以前から虐待が常態化し、これに気付いている職員がいたにもかかわらず、これまで外部に伝わることはありませんでした。
精神科病院における入院者虐待事件は毎年のように起こっています。当センターに寄せられる相談からしても、発覚するのはその一部にすぎません。精神科病院にはその閉鎖性から虐待の起こり得る構造的な問題があります。神出病院の事件を例外的な事案とみることは決してできません。
精神科病院においても、入院者の個人の尊厳を基礎とする適正な医療が提供されなければならないことはいうまでもなく、入院者への虐待行為の防止をはかるともに、虐待の早期発見・早期対応が求められています。
そこで、精神科病院における虐待事件が二度と起こらないようにするため、下記の点につき積極的に推進されることを要請いたします。
- 精神科病床を有する医療機関における虐待について、被虐待者の早期発見・早期救済を図るため、障害者虐待防止法及び高齢者虐待防止法を改正し、医療機関を通報義務等の適用対象とすること
- 大阪府で行われている「療養環境サポーター制度」のような入院者の立場に寄り添った第三者が精神科病院を訪問する権利擁護活動を制度化すること
以上
大阪府健康医療部部長 藤井 睦子 様
代表理事 位田浩 ・大槻和夫
〒530-0047
大阪市北区西天満5丁目9番5号 谷山ビル9階
TEL(06)6313-2003・FAX(06)6313-0058
E-mail advocacy@pearl.ocn.ne.jp
貴職におかれましては、日頃より精神科医療機関における人権擁護と医療の充実のためにご尽力されていることに敬意を表します。
さて、今年3月に神戸市西区にある精神科病院・神出病院において複数の入院者に対する重大な虐待事件が発覚し、看護師ら6人が逮捕され、有罪判決を受けました。同病院で
は以前から虐待が常態化し、これに気付いている職員がいたにもかかわらず、これまで外部に伝わることはありませんでした。
精神科病院における入院者虐待事件は毎年のように起こっています。当センターに寄せられる相談からしても、発覚するのはその一部にすぎません。精神科病院にはその閉鎖性から虐待の起こり得る構造的な問題があります。神出病院の事件を例外的な事案とみることは決してできません。
精神科病院においても、入院者の個人の尊厳を基礎とする適正な医療が提供されなければならないことはいうまでもなく、入院者への虐待行為の防止をはかるともに、虐待の早期発見・早期対応が求められています。
そこで、貴職らに対し、精神科病院における虐待事件が二度と起こらないようにするために、下記の点につき厚生労働省に積極的に要請することを申し入れます。
- 精神科病床を有する医療機関における虐待について、障害者虐待防止法の通報義務の
適用対象とすること - 大阪府で行われている「療養環境サポーター制度」のような入院者の立場に寄り添った第三者が精神科病院を訪問する権利擁護活動を制度化すること
以上