扉よひらけ⑧大阪精神科病院事情ありのまま2020のご案内
2021.01.07 UP
安心してかかれる精神医療の実現を
私たちは、精神科病院へのぶらり訪問を1999年に開始し、大阪府の制度となった「精神医療オンブズマン制度」は2003年にスタートし、2009年からは療養環境サポーター制度として、現在まで訪問活動を継続しており、訪問活動の内容を中心に報告書にまとめ、情報公開を行っています。
訪問先の病院が「扉よひらけ⑦」(2015年)の発行から1巡し、新たに8冊目の報告書を発行するにあたり、この報告書を大阪府で暮らしている人だけでなく、全国のたくさんの人に届けたいと思い、このプロジェクトを企画しました。
精神科病院のかかえる数々の問題(長期入院、社会的入院、閉鎖病棟、強制入院、隔離・身体拘束、暴行・虐待)の中でも「閉鎖性」「密室性」は、偏見や差別を助長し、問題をより複雑にし、社会からの「隔絶」をいっそう深刻にしています。これは精神科病院で働くスタッフだけの問題ではなく、病院の構造や治療に対する文化、社会の構造が変わっていかなければ、解決しません。
精神科病院の内部がもっと情報公開されたら、入院している人への暴力や人権侵害に歯止めをかけることになります。精神科病院のありのままを第三者がレポートすることで、入院中の方にも、病院を探している人も、「安心してかかれる精神医療」を自分で選ぶことができます。
私たちは、精神科病院の「閉鎖性」「密室性」に大きな風穴を開け、精神科病院の構造そのものに変化を起こす風を入れたい、全ては人間として当たり前の権利のためにという思いで取り組んでいます。
私たちの活動の拡充に向けて、引き続き、ご支援、ご協力をどうぞよろしくお願いします。
掲載病院一覧
2.藍野花園病院
3.青葉丘病院
4.浅香山病院
5.和泉丘病院
6.和泉中央病院
7.茨木病院
8.榎坂病院
9.大阪医科大学附属病院
10.大阪さやま病院
11.大阪市立総合医療センター
12.大阪市立大学医学部附属病院
13.大阪急性期・総合医療センター
(旧大阪府立急性期・総合医療センター)
14.大阪精神医療センター
(旧大阪府立精神医療センター)
15.大阪赤十字病院
16.大阪大学医学部附属病院
17.小曽根病院
18.貝塚中央病院
19.楓こころのホスピタル
20.金岡中央病院
21.関西医科大学総合医療センター
(旧関西医科大学附属病院)
22.関西記念病院
23.関西サナトリウム
24.木島病院
25.紀泉病院
26.北野病院
27.久米田病院
29.光愛病院
30.国分病院
31.こころあ病院
32.小阪病院
33坂根病院
34.阪本病院
35.さわ病院
36.七山病院
37.白井病院
38.新阿武山病院
39.新生会病院
40.ためなが温泉病院
41.丹比荘病院
42.ねや川サナトリウム
43.浜寺病院
44.阪奈サナトリウム
45.阪南病院
46.阪和いずみ病院(旧新いずみ病院)
47.東香里第二病院
48.ほくとクリニック病院
49.美喜和会オレンジホスピタル
50.三国丘病院
51.水間病院
52.箕面神経サナトリウム
53.美原病院
54.八尾こころのホスピタル(旧山本病院)
55.結のぞみ病院(旧汐の宮温泉病院)
56.吉村病院
57.渡辺病院
目次
はじめに
入院中の精神障害者の権利に関する宣言
1 訪問活動の全体像
~目指していること・制度と活動の内容・制度の発足と経緯~
私たちが精神科病院への訪問活動を続ける理由 細井大輔(プロジェクトリーダー)
精神科病院への訪問活動の紹介/解説 関口美穂(運営会員・療養環境サポーター)
精神科病院への訪問活動の発足経緯、変遷と課題について 大槻和夫(共同代表)
2 療養環境サポーター報告
3 訪問活動にかかわる人たちの声
~療養環境サポーターとして・大阪府精神科医療機関療養環境検討協議会委員として~
訪問活動参加者の声
大阪府精神科医療機関療養環境検討協議会委員より
4 630調査~精神保健福祉に関する資料(2019年・2009年)~
精神科病院の情報公開について
公開された病院のデータから(2019.6.30時点)
職種別職員数一覧表(2019.6.30時点)
公開された病院のデータから(2009.6.30時点)
職種別職員数一覧表(2009.6.30時点)
5 さまざまな角度から「医療保護入院」を考える
~法・政策・制度、仕方ないで済ませないためには~
憲法と医療保護入院/石埼 学(龍谷大学法学部教授・憲法学)
精神科病院における医療保護入院について考える
憲法、刑事法、行政法から見た医療保護入院の問題点/原昌平(ジャーナリスト、精神保健福祉士、行政書士)
法的に見ると矛盾だらけ~民法の観点から医療保護入院の問題を考える~/桐原尚之
増え続ける医療保護入院の実情~精神医療政策から考える~/有我譲慶(看護師)
本人や家族が負担や困難を抱え込まないためにも~医療保護入院の背景を考える~/彼谷哲志(当事者・精神保健福祉士)
6 病院との関係をどのように築くか
~大阪精神医療人権センター副代表 山本深雪さんに聴く~/話し手 山本深雪(副代表)・聞き手 原昌平(ジャーナリスト、精神保健福祉士、行政書士)
編集後記
あとがき
大阪精神医療人権センター 発行物のご案内
≪精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第 37 条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準≫
第一 基本理念
第二 通信・面会について
第三 患者の隔離について
第四 身体的拘束について
第五 任意入院者の開放処遇の制限について
「扉よひらけ⑧」の情報
発行 NPO法人大阪精神医療人権センター (2021/2/2)
発売日 2021/1/31
言語 日本語 ISBN
ISBN 978-4-9911810-0-9
定価 2500円(外税)
A4サイズ/270ページ