本特集では、「医療保護入院」を考えるために、「医療保護入院」の内容や現状をご紹介します。是非、ご一読の上、総会・記念パネルディスカッションにご参加ください。
記念パネルディスカッションでは、①医療保護入院の現状や背景、②法的観点から見た医療保護入院の問題点、③医療保護入院以外の選択肢、④相互作用を考えていきたいと思います。はじめての方でも、大阪府以外の方も、是非、ご参加ください!!
「精神科病院における医療保護入院」を知る!!│人権センターニュースバックナンバーより
2019.04.04 UP
精神保健福祉法における入院形態には、大きく分けて①任意入院、②措置入院、③医療保護入院があります。
医療保護入院は、強制入院(本人の同意が不要)の一つです。
医療保護入院は、本人の同意がなくても、
・精神科病院の管理者が、
・家族等のうち、いずれかの者の同意があり、
・精神保健指定医1名の診察の結果、精神障害者であり、かつ、医療及び保護の入院の必要があり、
・任意入院が行われる状態にないと判定された
場合に行われるとされています(精神保健福祉法33条1項)。
「家族等」とは、医療保護入院の対象となる方の①配偶者、②親権を行う者、③扶養義務者及び④後見人又は⑥保佐人をいうとされています(精神保健福祉法33条2項)。
ただし、
(i)行方の知れない者、(ii)当該精神障害者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系血族、(iii)家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人、成年被後見人又は被保佐人、(iv)未成年者は除かれます。
① 退院後生活環境相談員の選任(精神保健福祉法33条の4)
上記相談員とは、「医療保護入院者が早期に退院できるよう、個々の医療保護入院者の退院支援のための取組において中心的な役割を果たすことが求められている」とされています。
② 地域援助事業者との連携(精神保健福祉法33条の5)
地域事業者の紹介は、退院後に利用する障害福祉サービス、介護サービスについて、退院前から相談し、円滑に地域生活に移行することができるように、精神科病院の管理者の努力義務とされています。
③ 医療保護入院者退院支援委員会での審議(精神保健福祉法33条の6)
支援委員会は、入院の必要性を審議する体制を整備するとともに、入院が必要とされるなら、その推定期間を明確にして、退院に向けた取組を審議する体制を整備するために設置されています。
① 相談員の方に、入院中の方に対し、退院後の地域資源に関する情報提供を依頼しましたが、主治医が、「治療によくない」、「退院させるつもりはない」と言っており、主治医の許可がとれないといって、その相談員の方は、情報提供に応じてくれませんでした。
② 主治医は、病識がないので、疾病教育をしても意味がないと説明していましたが、定期病状報告には、疾病教育の必要性を理由に入院継続を指示していました。
③ 退院支援委員会の開催は30分以内に限定されていると言われ、25分ぐらい経過し、主治医が次の予定があるからと言って、退席しようとしたため、「入院が必要と推定される入院期間」を確認したところ、「じゃあ1年」と言って、その場を立ち去っていきました。
精神科病院の管理者は、その責務を果たしていると言えるのでしょうか??
精神障害のある人の人権に関わる問題は長年放置され、多くの人生被害をもたらしてきた。精神疾患・障害をもちながら人として尊重される社会とするためにはどうすればいいかを、障害者権利条約をふまえわかりやすく伝える。
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Q1 長い間、精神科病院に入院させられるとは、どのような経験なのでしょうか?/Q2 精神科病院では、入院中の方の自由や権利は守られていますか?/Q5 本人が嫌がっても強制的に入院させられることがあるのはなぜですか?
■人権センターニュースバックナンバー2018年4月号 140号
▽大阪精神医療人権センターの活動にぜひご参加ください
▽2017年度 権利擁護システム研究会を振り返って&2018年5月26日開催の総会・記念パネルディスカッションに向けて
▽「わからない」ということが「わかってきた」-医療保護入院への根本的疑問-/権利擁護システム研究会コーディネーター 竹端 寛(兵庫県立大学)
▽第4回権利擁護システム研究会 報告/権利擁護システム研究会参加メンバーより
▽「精神科病院における医療保護入院」を知る!!
▽平成25(2013)年精神保健福祉法改正における「保護者制度の廃止」について~解説と感想~/森口 秀樹(精神科医・八戸ノ里クリニック)
▽療養環境サポーター活動報告/榎坂病院
▽療養環境サポーター活動報告/大阪急性期・総合医療センター
▽2017年度 日本財団助成事業「精神科病院入院者への権利擁護活動の様々な地域への拡充」・個別相談[電話・面会]の検討チームの実施報告
検討チームに参加して~感じたこと・今後の課題~/彼谷 哲志 角野 太一 西川 健一 渡辺 みちよ
▽厚生労働省2018年新規予算「『意思決定支援等を行う者』に対する研修事業」について/山本 深雪(大阪精神医療人権センター 副代表)
▽入院患者さんの声
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本誌は日本財団助成事業「精神科病院入院者への権利擁護活動の様々な地域への拡充」の一環として作成しました。