
医療観察法・精神保健福祉法など“ほぼ定着”させられたか のように見えた精神障害者差別体制が、津久井やまゆり園事件や神出病院事件、コロナ・クラスターなどで巨大な矛盾を露呈し、他方での昨年10月の第63回人権擁護大会「精神障害の ある人の尊厳の確立を求める決議」、そして本年8月の障害者 権利条約対日審査などで、いま大きく揺らぎ始めています。
国連障害者権利委員会は、措置入院・医療保護入院等を規定する精神保健福祉法等の撤廃のために講じた措置、隔離・ 身体拘束等を廃止するためにとった法律上・実践上の措置など、強制入院や隔離・身体的拘束等に関する事項について事前の情報提供を求めています。
他方、政府・厚労省・日本精神科病院協会は、昨年10月以来「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の回を重ねるなかで、居直りを深めて巻き返しに転じ、 「報告書」取りまとめをステップに、今秋臨時国会での精神保健福祉法・障害者雇用促進法束ね「改正」を狙っています。
また今国会で刑法・更生保護法等を大改悪し、裁判所・刑務所・保護観察所などの裁量強化と、重罰化と教育刑をセットにした本格的な予防刑法―「保安処分」体制構築を狙っているのです。既に医療観察法では、刑務所敷地内に司法精神医学部門を 整備した北大病院医療観察法病棟を作り矯正施設と連携するなど、新たに踏み込んだ攻撃が仕掛けられています。
こうした攻防のなかで日弁連人権擁護大会は「決議」実現にむけて「当事者団体、精神医療福祉関係者団体、市民団体、 労働組合などの多くの人々の論議に基づく法制度政策改革への働きかけが不可欠で共闘態勢を築いて行きましょう」との呼びかけを発しています。私たちも改めて「再発防止」を謳い新たな「保安処分」態勢の嚆矢となった医療観察法の差別的実態を暴き、精神保健福祉法など醜悪な日本の精神医療を糾弾し、運動の力で大きく揺さぶり、変革したい。既に、医療観察法廃止へ! 障害者権利条約実現へ! 新たな闘いの攻防が始まっています。全国集会にぜひご参加ください。