人権センターにつながったきっかけ
精神科病院に作業療法士として入職して3~4年目の頃に『べてるの家』の話を聞いて本を読み衝撃を受けました。それまでは病気を治すことの価値を教えられてきましたが、「その人らしく生きる」という言葉を知って、それは一見当たり前のようですが医療現場では当たり前になっていないと気づきました。
そして病院に届いたリカバリーフォーラムの資料を見て、行ってみることにしました。フォーラムでは自分の知らなかった、でも医療が取り入れないといけない考え方をたくさん知り、大きな衝撃を受けました。とても面白くて参考になったのですが、さあ病院へ帰ったときに話を出来る相手がいない、フォーラムで出会った全国の人たちとの繋がりも断たれてしまうと思い、分科会の座長に大阪でこのような活動をしている団体がないかきいてみたら大阪精神医療人権センターのことを教えてもらいました。
9月のフォーラムで情報を得て11月のセンターの講演会に参加しました。講演会では「精神保健福祉の未来像」「精神保健福祉法の改正を受けて次の改正を睨んで」という内容で、このようなことを考えている人の存在を知りました。
その後の数年はイベント後の懇親会にも参加してそこで出会うたくさんの方から面白い話をきかせて貰っていたのですが、機会を重ねていくうちに受付をしたり本を売ったりと出来る事を手伝うようになりました。
思い返せば、昔勤めていた病院では北欧の医療、福祉システムの研究をしている方がおり、その方から障害を持ったとしてもその人らしい生活が行えるシステムが運用されていることを聞いたことがありました。「システムが違えば寝たきりになってしまう方の数、障害を持った方の生活は全然違う」という話を聞き、1年目のその驚きも今に繋がっているのかなと思います。