お知らせ

2024年度全国ネットワーク会議 開催報告 ~各地の精神医療人権センターとのつながり~

2025.04.01 UP

全国ネットワーク会議のはじまり

全国ネットワーク会議は、精神科病院に入院中の方への権利擁護活動をする団体がつながりを深め、共に学び合う場としてスタートしました。2019年の公開講座をきっかけに生まれたこの会議は、日本財団の助成を受け、2025年3月まで活動を続けてきました。

全国ネットワーク会議の歩み

精神科病院に入院中の方への権利擁護活動をする団体同士が個別に情報交換をする機会はあったものの、複数の団体が定期的に集まる場はありませんでした。
これまでにオンライン上で年間3~7回の交流、意見交換を開催し、団体運営や活動について学び合う場としていました。2020年度にはオンラインシンポジウム、2021年度には全国一斉電話相談を実施しました。意見交換の内容等をまとめた冊子も作成し、団体同士の「顔の見えるつながり」を築いてきました。

2024年度全国ネットワーク会議での学び

1月:「ボランティアコーディネート」について学ぶ

どの団体も多くのボランティアのご理解ご協力を得ながら権利擁護活動をしています。ボランティア募集をするときの留意点やボランティアにお願いしたい役割、関係性の構築・維持など「ボランティアコーディネート」について学びました。

「3つのC」でボランティアとの関係を築く

講師の河合将生さん(NPO組織基盤強化コンサルタント office musubime)から、「コーディネーションはコミュニケーションだ」ということ、ボランティアと良好な関係を築くための「3つのC」が紹介されました。

  • 共通目標(Common Goal)
    – 団体内で団体の目的や方向性、活動の目標などが共有できているか
  • 協働意欲(Collaboration)
    – やりがいを感じることができるボランティア活動であるか
  • コミュニケーション(Communication)
    – 内容や頻度は適切・良好か

またコーディネートにおいて「特に『つなぐ役割』が重要である」と学びました。

参加者の声

講義の資料には1枚の葉が、多くの葉となり、花が咲き、実がなり、大きな樹に育つ絵が示されていましたが、ボランティアの力を得て、個々の団体が育ち、その先には、精神医療の権利擁護団体が目指す精神科病院の風通しをよくする共通目標の実現へと向かって行きたいと思えました。

2月:「資金調達」について学ぶ

団体の活動を継続するためには、資金の確保が不可欠です。2月の会議では、資金調達について学び、会費・寄付・助成金などの具体的な手法について意見交換を行いました。

会費や寄付の重要性

わたしたちの活動は、会費やご寄付によって支えられています。活動の目的に共感し、応援してくださる方々との関係を深め、継続的に活動報告を行うことが重要だと感じました。

助成金の活用

助成金申請を通じて団体の活動を整理し、今後の方向性を考え、ステップアップを図ることができます。また、助成金の活用により、より多くの方に活動を知っていただくきっかけを作ることができると学びました。

参加者の声

一口に資金調達と言っても、とても幅広い手段や段階があるということがよくわかりました。自分たちの団体の活動内容やレベルに応じた手段の選択と工夫が必要だと思いました。

3月:ネットワークのこれからを考える(対面開催)

3月の会議は、全国ネットワーク会議として初めての対面開催となりました。これまでの取り組みを振り返るとともに、今後のネットワークの在り方について話し合いました。

ネットワークの価値と対面の重要性

「ネットワークが『ある』ことが大切」「困ったときに頼れる場であってほしい」という声が多く寄せられました。ある参加者から「一生懸命取り組んでも、物事はうまくいかないことのほうが多い。それでもなぜ活動を続けるのか。それが原点だと思う」というような意見がありました。精神科病院に入院している方の権利擁護活動をする団体が増えてきていますが、それぞれの団体が孤軍奮闘にならないよう、お互いに支え合うネットワークが必要です。

参加者の声

対面での開催はやはり有意義さがちがうように思います。お聞きしたかったことも聞けましたし、皆さんの熱量が伝わってきました。

対面開催の重要性を感じました。対面の会場やグループワークでの、安心して話が出来る環境の保障が大事だと思いました。今回も、いろいろなご意見がきけたこと、具体的な運営のヒントが得られたこと、仲間の存在を感じて拠り所になった事が大きな収穫でした。やはり、継続していきたいと感じます。

全国ネットワーク会議のこれから

これまでこの会議や関連する取り組み(冊子発行や2019年度公開講座、2020年度シンポジウム、2021年度一斉電話相談等)は、日本財団助成事業を活用しながら大阪精神医療人権センターが主催で行ってきました。この助成は今年度で終了します。
しかし、各団体が継続的に学び合う場を持つことで、築いてきた「つながり」を継続し、また「広げること」が権利擁護活動の未来につながると考えています。
今後もオンラインと対面を組み合わせた意見交換の場を工夫しながら、精神科病院に入院している方の権利擁護活動を支えるネットワークを絶やさないよう努めていきたいと思います。

当センターの活動を維持し、充実させるためにご支援をお願いします。

現在、当センターの活動には、当事者、家族、看護師、PSW、OT、医師、弁護士、教員、 学識経験者、マスコミ関係者等の様々な立場の方が、世代を超えて参加しています。当センターは精神科病院に入院中の方々への個別相談や精神科病院への訪問活動、精神医療及び精神保健福祉分野への政策提言活動等を行っています。

会員・寄付について